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現代版キャラクター設定の例:改訂版
改訂前の稿に挙げられた要素を全部一人のキャラクターに突っ込んでしまうと、とんでもない厨房設定としか思えないハチャメチャな人物が仕上がってしまいます。
でも、キャラにはいろいろな特性を詰め込みたい!という方。……それらしい理由をこじつければ、まあなんとかなる事もあります。どうにもならない場合もあります。
というわけで理由をつけて、どうなるものか見てみましょう。
血筋
- ごく普通の一般サラリーマン家庭に生まれる。
これは別に良いですね。よくある設定ですし、普通のご家庭なら読者も親近感を持ってくれるでしょう。
「A君(17)の戦争」の主人公に感情移入しやすいのと同じ理由です。
むやみに「実は高貴な家柄」なんて設定をつけるより、応用の幅も広そうだし。
- 祖父・曽祖父などが中国大陸で活躍した。
「なんでもないただの会社員だったはずが、帰国タイミングを逃したため、中国人を装って大陸中を逃げ回った挙句に帰国した」という一般人もありでしょう。
それ、どこの本郷義昭ですか(;´Д`)
- 遠い先祖は、何か大きな事をしでかした疑いがある。
祖父母の家に何故かある隠し部屋、奇妙な蔵、そんなものだけが出てきていれば問題なさそうです。
経歴
- 外国軍の士官学校にリクルートされるも、お断りする。
「外国」に住んでいる高校生で、成績優秀で、体力にも恵まれていれば、こういう事もたまにあります。
めったに無いと思う、それ。
- 士官学校(防衛大学校)入学試験に合格するが、入学を辞退する。
他の大学に受かったことにしましょう。良くある事のようです。
- 東大を卒業。
「東大卒」年間生産数は3000人です。別に珍しいもののように扱う必要も無いでしょう。
- 国家公務員試験(第一種)受験するも、受験中に「馬鹿馬鹿しくなって」受験放棄。終了前に試験会場を去る。
お勉強は出来ても世間に疎い、相当におバカな人間である、という記述がどこかに必要ですね。
……相当強烈なバカにしないと、説得力無いんじゃ(´д`)
- なぜか海外就職して、東南アジアの密林で勤務。
怪しげな秘密結社に入らなくても大丈夫、商社に入って海老養殖部門に配属されたり、資源開発会社に入社したりすれば、実現可能です。
「中国の辺境に仕事で出かけたことになっている」っていうのも、このパターンの応用でいけると思う。
心
- 普段はバカである。
お間抜け属性を付けましょう。普通の人なら出来るのにこいつには出来ない、という事が一つあると良いかもしれません。
もちろん、「能ある鷹は爪を隠す」もOK。
- 参謀属性あり。ただし、悪の参謀型。
策略を持って人を動かすのを好む、しかし策士策におぼれる。このくらいが無難かと。
ときどきドジっ子属性を発揮して憎めないキャラになるのが味方なら、馬鹿いち。敵なら、嫌展。
- 死体を見ても、眉一筋動かない。
平気の平左というわけではなく、ただパニックしないでいられるだけ、という線が無難でしょうか。
何らかの形で、人の死体を見た経験が必要になります(経験も無いのに平然としてるのは、やはり異常と言うべきでしょう)。
また顔には出なくても、内心でうんざりしていたりするのも良いですね。
「良く見ると気絶してた」なら嫌展。
技
- 生活に困らない程度に外国語は話せる。
よくある事なので、説明不要でしょう。
- 実はひっそりと軍人でもある。
予備役ってことにすればOKです。
体
- そうは見えないが、体力バカである。
スーパーヒーローの体力は必要ないと思いますがね、火事場では使える特性じゃないですか?
- 睡眠時間はかなり短い。
しかし昼寝は大好き、などの現実的な特性も付けるといいでしょう。
あんまり睡眠時間が短いと、人間じゃなくなります。
- かつては射撃の名手(今は……?)
しばらく撃っていなければ、腕はどんどん落ちますからね。
「参謀になれるだけの頭はあるけど、出世街道への切符をその場の気分で捨てる大馬鹿野郎でもある」なんてキャラクター、小説に登場したら作者を蹴倒したくなりますよね。お話に登場する人物としての「それらしさ」が演出できません。
無理があるというべきでしょう。
コメント
中:……やっぱり、どう転んでも、一人のキャラクターに収束させるのは無理でしょう。
白:そういうことw
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