〜絶版本の宴〜

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スカーレット・ウィザード

第一巻
 とにかく宇宙を飛ぶのが楽しかった『海賊王』ケリー。しかし何の因果か、突然現れた女に「一年間の契約で」と仕事を依頼され、差し出された契約書を見るとなんとそれは婚姻届。
 この突拍子も無い申し出をした相手は、経済界を牛耳る大財閥、クーアの二代目総帥ジャスミン・クーア。彼女は三〇歳までに結婚しないと相続権を失うというが、むろんジャスミンの狙いは自分の相続権の確保だけではない。
 そんなのに付き合うなんて冗談じゃないと突っぱねたケリー、もちろん逃げ出す自信はある。しかしあろうことか、ジャスミンは戦闘機で追撃したうえケリーとその相棒を撃沈寸前にもっていき、撃沈か結婚かと迫った。
 このとんでもない女王様に渋々つき合わされたケリーはもちろん、財団内の陰謀に巻き込まれ……

 多少物理法則を無視していたりするのは、クラッシャー・ジョウなんぞ読んでいた世代にすれば(ガンダム世代と言ってもいいでしょう)まあ、ご愛嬌といったところですから、あんまり詳しいツッコミを入れるのは野暮というものです。ガンダムなみの酷い考証ですから、この世代の人には耐えられるでしょう。
人物造形についてもかなり無理はありますが、スペースオペラ、それも原形たるホースオペラに近い荒唐無稽っぷりですから、まあこんなもんだろうと思えば読み流すことも十分可能です。
ノリの良い無茶苦茶を楽しめば、この作品はそれで良いんじゃないのかな。

 ……だけで済んでいればよかったんですけどねえ。
 またやってくれましたよ、茅田さん。いらんオマケがわんさと付いて、作品が台無しになっていく様子をしっかり見ることが出来ます。
特に最終巻はひどいもんで、これは後半を削りまくって外伝とまとめて一冊にするとちょうど良いんじゃないかと思えるほど、冗長な構成になっています(ストーリーの内容?取り上げる価値があるかどうかというところですね)。
 ラー一族(デルフィニアでも登場していたアレ)が登場するのはいいのですが(使い方がもう少しうまければと思わなくもありませんが)、外伝であるところの新シリーズでグリンディエタ&シェラまで出すのは行き過ぎというものでしょう。
なんでも詰め込めば良いというものではありません。

この作品の登場するバカいち(と嫌展)


書籍データ
作者茅田砂胡
発行中央公論社
発行年1999
ジャンルスペースオペラ
全タイトル
  1. スカーレット・ウィザード(1)
  2. スカーレット・ウィザード(2)
  3. スカーレット・ウィザード(3)
  4. スカーレット・ウィザード(4)
  5. スカーレット・ウィザード(5)※地雷
  6. スカーレット・ウィザード外伝―天使が降りた夜※地雷
入手可能性書店で入手可能。

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